VANISHING VIEW

  • ACAC国際芸術センター青森
  • 2004年
  • 父が逝った。まるで電池の残量が徐々に減っていくように。
    外に目をやった、森が黒々とあった。それが全てであった。
    私は青森に滞在し、その自然の豊かさと美しさに日々驚愕した。そして、その環境を堪能している人々を思うと同時に、その風景が消えることを想像してみた。豊かさの陰に隠された事実や現実を思い描き想像してみることは自己の未来を想像することでもあり、それは同時に現代において豊かさを享受するものの最低限度の行為でもあろう。
    私は量感を伴わない微弱な「線』による作品を作った。それは空間や風景の中に溶込み消えようとしながらも、たしかに屹立し存在するように。消えていくことが崇高さへと向うのか、あるいは恐怖へと向うのか、それは見えないものを感じ取り見ようとする創造力によって喚起され決定されるのかもしれない。
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    国際芸術センター青森 2004年春のアーティスト・イン・レジデンス・プログラム

     ■テーマ
     「自然との会話~わたしと自然の新たな物語」

     ■会期
     滞在:2004年4月26日~7月 16日
     展覧会:2004年6月12日~7月11日 午前10時~午後7時 会期中無休、入場無料

    ■主催
     国際芸術センター青森AIR実行委員会・青森市

     ■作品制作協力(敬称略)
     国際芸術センター青森サポーター組織「AIRS」
      ◎ 中瀬康志作品
        ギャラリーNOVITA
      ◎ 横溝美由紀作品
        株式会社伊丸岡電気
      ◎ キム・ジュンヤン作品
        青森塩業(株)
        わにもっこ
        大星神社
      ◎ アリ・サールト作品
        株式会社シグマ・ラボ
        青森県工業総合研究センタ?弘前地域技術研究所
        三田村光土理 ユミコチバアソシエイツ
        山上樹奏
      ◎ マリーン・キイ作品
        東陽小学校、古川小学校、堤小学校
        佃小学校、合浦保育所、浦町保育所、ときわ保育所